コロナに乗じて企業を食い物にするファクタリング会社に要注意!

コロナに乗じて企業を食い物にするファクタリング会社に要注意!

2020年は、まさに新型コロナウイルス一色といっても過言ではありません。

感染者は拡大する一方であり終息する気配は全くなく、ついには日本でも緊急事態宣言が発令されるまでになりました。

また、新型コロナウイルスは日本の企業にも大きな影響を与えています。

日本商工会議所実施した早期観測景気調査(3月分)によると、実に92.1%の企業が「既にコロナウイルスの影響が発生している(懸念含む)」と回答しているのです。

そして、そのようなコロナウイルスに負けずなんとか踏ん張っている企業を食い物にしようと、言葉巧みに誘導するファクタリング会社が急増しています。

日本経済を支えようと頑張っている中小企業をあざけ笑うような、とてもじゃないですが許されない行為です。

また、切羽詰まってファクタリング契約を結んでしまったとしても、決して諦めることはありません。

適切な対処を取ることで、しっかりと問題は解決することができます。

そこでこの記事では、ファクタリング会社はどのように企業を誘導してくるのか、その誘導方法やファクタリング会社の違法性、誤ってファクタリング契約を結んでしまった場合の対処法などの情報を徹底解説していきます。

ファクタリング会社の誘導方法

ファクタリング会社は、様々な謳い文句で資金繰りに困っている企業をファクタリングまで誘導します。

たとえば、インターネットの広告、ファクタリング会社のホームページなどで以下のような文面のアピールを見たことはないでしうか?

  • 低手数料
  • 銀行よりも早い最短即日入金
  • 取引先に知られることのない2社間ファクタリング
  • 資金繰りを改善できる

言葉だけ見れば魅力的に感じますが、これらの情報はそのまま捉えてはいけません。

ファクタリング会社は、メリットばかりを押し出してファクタリングのアピールを行いますが、その裏には大きなデメリットも存在するのです。

ここでは、ファクタリング会社が行うアピールがどれほど正しいのか、またどのように誘導してくるのかをご紹介していきます。

低手数料をアピールしている!?

ファクタリング会社が、よくアピールしているポイントに「低手数料」が挙げられます。

しかし、これにはいくつもの落とし穴があるため注意が必要です。

たとえば、あるサイトに「手数料は2%~の業界最低水準」と記載されているとしましょう。

確かに、2%の手数料でファクタリングを行うことができるならば、業界最低水準かもしれません。

ですが、実際に請求される手数料は、これの何倍も高額になる可能性が非常に高いです。

そもそも、ファクタリングを利用する方の多くは、売掛先に知られることなくファクタリングを完結できる「2社間ファクタリング」を選択します。

その2社間ファクタリングの平均相場が10%~30%といわれているのを鑑みると、この手数料は現実的ではないでしょう。

よって、ファクタリング会社がサイトに記載している最低手数料は、様々な説明を省き、極めて限られた条件でやっと適用されるものと理解しておく必要あります。

また、ファクタリング会社が提示する手数料がたとえいくらであったとしても、それは利息制限法を大きく超えてしまうものです。

年利に換算した場合、50%を超えることも珍しくありません。

それらの点は、しっかりと留意しておくべきです。

銀行よりも早い最短即日入金をアピールしている?!

ファクタリング会社はよく銀行融資の遅さを引き合いに出し、資金調達スピードをアピールします。

確かに、ファクタリング会社は銀行よりも資金調達スピードが早いかもしれません。

しかし、それは本当に銀行融資の何倍ものコストを支払ってまで利用すべきものでしょうか?

簡単にファクタリングに走るのではなく、今一度現在取れる手段を見直す方が賢明です。

取引先に知られることはないことをアピールしている

ファクタリング会社は、「取引先に知られることなく、ファクタリングを行うことができる!」とアピールします。

しかし、ファクタリング会社の多くはファクタリング契約を行う上で「債権譲渡登記」を行うため、実際にはファクタリングを利用したことが取引先にバレてしまう可能性は十分に考えられるのです。

さらには、2社間ファクタリングを利用する場合、手数料は3社間ファクタリングの何倍にも膨れ上がります。

ただでも法外のような手数料が、もっと高くなってしまうのです。

仮に取引先に内緒で資金を調達できたとしても、そのためのコストやリスクは膨大であり、そこまでしてファクタリングを利用する価値があるかは大きな疑問が残ります。

資金繰りを改善できることをアピールしている

ファクタリングを利用すれば、確かに資金を調達した時点では資金繰りを改善できるかもしれません。

しかし、それはあくまで錯覚にすぎません。なぜならば、その時点で粗利の大部分が喰われているためです。

そして、すぐにまた資金繰りは苦しくなり、またファクタリングを利用せざるをえなくなります。

正に、自転車操業状態です。

また、ファクタリング会社がよく「負債を増やすことなく現金を調達し、資金繰りを改善できる」といいますが、これは正しいようで間違いです。

確かに、借入ではないファクタリングを利用すれば、負債は増えません。バランスシートのスリム化にも期待できるでしょう。

ですが、ファクタリングで資金を調達するために、莫大な手数料を支払う必要があるため、長期的に見れば間違いなく今以上に資金繰りをひっ迫してしまいます。

よって、負債やバランスシート云々という以前に、高額な手数料が必要なファクタリングを利用すること自体が、企業の資金繰りに大きなダメージを与えてしまうリスクがあるのです。

これほどまでに高額な手数料を請求してくるファクタリング会社を、「違法ではないのか?」と疑問に思ったことのある方も多いでしょう。

しかし、あくまで債権の売却(譲渡)による資金の調達になるファクタリングは違法にはならず、またファクタリング契約が売買契約なのであれば、貸金業許可も必要ないとされています。

ですが、違法ではないにしてもその実態は、法定金利上限も真っ青な手数料を請求してくる高利貸のような存在なのです。

借りたら最後、早晩、経営破綻を免れることはできません。

すべてのファクタリング会社が合法というわけではない

ファクタリングはあくまで、ファクタリング契約が売買契約であった場合のみ違法性はないとされています。

たとえばこれが、貸金業の許可を得ずに、売掛金を担保としてお金を貸し付けていたり、利息を取っていた場合にはそれは違法行為となります。

ファクタリングを利用する方の中には、まだまだ、「ファクタリング=融資」と勘違いしている方も多いため注意しなくてはいけません。

また、ファクタリング会社の中には闇金まがいの悪徳業者も存在するため、その点も留意が必要です。

万が一ファクタリング契約を締結してしまった場合の対処とは?

新型コロナウイルスの影響で資金繰りが悪化してしまい、手数料が高いとわかっていても「泣く泣くファクタリング契約を締結してしまった」という方も多いでしょう。

しかし、それは大変危険な状態であり、さらに状況が悪化してしまう可能性が非常に高いです。

そのような状況になってしまいましたら、諦める前に弁護士へ相談してみましょう。

法の専門家であり、ファクタリングに関する問題のスペシャリストである弁護士ならば、あなたに代わりファクタリング会社と交渉を行ってくれます。

新型コロナウイルスという弱みに付け込み、疲弊する企業を食い物にするファクタリング会社には十分に注意してこの未曽有の危機を乗り越えていきましょう!