ファクタリングは少しだけ借りても破産してしまう!

ファクタリングは少しだけ借りても破産してしまう!

本記事は、ファクタリング業者から借りてしまったが全く資金繰りが改善しない、何かがおかしいと感じている事業者の皆様のために、ファクタリングは借入金額が少額であっても資金繰りに対するインパクトが大きいことや、なぜそこまで資金繰りに対するインパクトが大きくなるのかのメカニズムや、資金繰りが悪化してきた場合はどのような対応を取るべきなのか、についてファクタリングを多く取り扱う弁護士が解説してゆきます。ファクタリングの負担が非常に重いとお感じになっている事業者の皆様には参考にして頂けましたらと思います。

ファクタリングは少しだけ借りても破産してしまう!

ファクタリング』は、企業や事業者などが保有する売掛債権を機動的に現金化する資金調達手段です。

手軽に現金を確保できるため簡単に手を出す方が多いですが、その本質は、高金利での借り入れと同じであり、法外に近い手数料を搾取される非常にリスクの高いものであり、経営破綻という末路をたどる方が急増しています。

また、資金繰りに困った事業者などが、ファクタリングを利用する傾向が強いですが、ファクタリングを少しでも借りてしまえば、その高金利が原因で完済が非常に容易ではなくなりますので、その後は借り換えを繰り返さざるを得ず、その都度、高額の手数料負担が乗っかり、どんどん資金繰りがひっ迫されていくため、とてもじゃないですが資金繰りの改善どころではなくなってしまいます。

高額な手数料が負担を増加させ資金繰りを圧迫!

簡単かつ迅速に借り入れができるとのメリットの話ばかりが先行しがちなファクタリングですが、本来もっと注視すべきなのはその「高額な手数料」のほうです。

ファクタリングの手数料の相場は、おおよそ2社間ファクタリングで「10%~30%程度」、3社間ファクタリングで「1%~10%程度」となっており、非常に高額です。

たとえば、2社間ファクタリングにて手数料30%でファクタリングを行った場合、年利換算すれば「360%」にも相当することとなります。

貸金業者でも、上限金利は最大20%となることに鑑みると、いかにファクタリングが法外な手数料を搾取しているかが伺えます。

しかし、このような明らかに不利益なデメリットがあるにもかかわらず、多くの企業や事業者はファクタリングを利用してしまうのです。

これは、ファクタリングの手軽さばかりが浸透し、その本質が十分に理解されていないことが理由に挙げられます。

通常で考えれば、年利が数百%というヤミ金のような金融機関から融資を受けようとは思わないでしょう。

ファクタリングは破滅の道への第一歩であるため、絶対に利用はおすすめしません。

売掛債権を売却したから期日に売掛金が入らず資金繰りを圧迫!

本来、ファクタリングを利用する方の多くは資金繰り改善を目的に行います。

しかし、前述のとおり、実際は手数料が高すぎるため、到底、資金繰りの改善など望めるものではありません。

さらに、ファクタリングとは将来入ってくる売掛金の早期資金化であるため(売掛債権の売却であるため)、一度でも利用してしまうと、売掛金の本来の支払期日に売掛金が入ってこなくなります。

すると、企業や事業者としては、その支払日にまた資金が不足してしまうのです。

その結果、結局のところ、その支払期日に、再度ファクタリングを行わないと資金繰りを維持できませんので、再度ファクタリングを行うこととなります。借り換えです。ファクタリング業界では「折り返し」と言います。

それに加え、この間にも、当然ながら高額な手数料は発生続けるため、手元に残る資金は減り続けてしまうのです。

そもそも、ファクタリングという非効率な手段で資金を調達する企業や事業者は、もとより銀行借り入れやノンバンクから借り入れができないというケースが多く、そもそも資金繰りが厳しかった場合がほとんどであるはずです。

銀行借り入れやノンバンクから借り入れができない結果、ファクタリングを利用するのですが、一度ファクタリングを利用してしまうと、ファクタリングがこのような構造をもつものであることから、継続してファクタリングに頼らざるを得なくなってしまうのです。

注意:ファクタリング業者もいつまでも借り換え(折り返し)してくれるわけではない!

ファクタリングは売掛金を早期資金化するだけであるため、結局のところ、どこかで資金が不足してしまう可能性が非常に高いです。そのため、銀行やノンバンクなどの金融機関からの借入が望めない以上、どうしてもファクタリングに頼らざるを得なくなるわけですが、ファクタリング業者も、いつまでも借り換え(折り返し)をしてくれるわけではありません。ファクタリング業者にとっても、著しく信用が棄損している企業や事業者には、貸し付けを実行することができないのです。

また、そもそも、ファクタリングを継続して利用していくと、高額な手数料のため、借り換えしなければいけない(折り返ししてもらわなければいけない)金額は急増し、ファクタリングで売却することができる売掛金が不足していきます。ファクタリングで売却することができる売掛債権が足りなくなってしまうのです。

ファクタリングすることができる売掛債権が足りなくなったら、どうすればよいのでしょうか。

多くの企業や事業者は、やむなく、同じ売掛債権を他のファクタリング業者にも売却し始めます。売掛債権の二重譲渡・三重譲渡・多重譲渡です。詐欺罪・背任罪です。さらに行きつくところまで行くと、売掛債権がないにもかかわらず、売掛債権をでっちあげファクタリング業者に売却してしまいます。架空債権譲渡です。完全な詐欺罪です。

そうならないうちにファクタリング取引をやめないといけないのですが、ファクタリング取引を止めるということは、その時点で資金繰り問題が顕在化し、取引先に債権譲渡通知書を送付されることとなり、信用問題が勃発してしまうこととなるのです。

ファクタリング取引を継続して犯罪を犯すか、ファクタリング取引を止めて信用問題を勃発させるか、の選択肢に迫られるのです。

借り換え(押し返し)すればするほどファクタリング業者への返済金が膨れ上がる!

いよいよファクタリングすらできなくなるころには、資金繰りの悪化どころか、ファクタリング業者に返済すべき額が雪だるま式に膨れ上がっています。

ファクタリングの利用と返済を繰り返す行為はまさに自転車操業であり、一昔前の貸金の多重債務者と同様です。

ファクタリング業者に返済すべき金額が雪だるま式に増えてゆきますので、到底、返済できるような金額ではなくなってしまいます。

どこかで、この悪循環を断ち切らなければいけません。

破産・廃業すれば悪循環から逃れられるがそこまでしなくても・・弁護士に依頼して分割払い交渉!

経営破綻は、ファクタリングを利用した企業や事業者の最終的な末路です。

しかし、そうならないうちに『廃業』してしまうか、もしくは『破産』を行うことにより、ファクタリングの悪循環から逃れることができます。

ファクタリングは借入ではなく債権の譲渡(売買)による資金調達となりますが、実際に破産・廃業した企業や事業者に対し、取り立てを継続して行うファクタリング業者はほとんどありません。

ただ、破産・廃業までしなくても、返済金額を固定したうえで、分割払いにするのであれば返済できるという場合は多いのではないでしょうか。

そういう場合は、ファクタリング業者に対して分割払い交渉をすることが好ましいと言えます。

ファクタリング業者は分割払いを通常受け入れることはありませんので、相当粘り強い交渉が必要になりますが、できないものではありません。

破産や廃業はあくまで最終手段として、その前にファクタリング業者と長期分割払いなどの交渉を行ってみることをおすすめします。

場合によっては、破産や廃業を回避して本業を継続することも可能となるのです。

まとめ

破産するにしても、廃業するにしても、個人だけで手続きを取るのではなく、法のプロである弁護士へ任せると非常にスムーズです。

ファクタリングという闇に一人で悩むことはありません。問題を早期的に解決するためにも、まずはお気軽に弁護士へ相談することをご検討ください。