ファクタリング会社に対する過払い金返還請求の可否とその方法!

ファクタリング会社に対する過払い金返還請求の可否とその方法!

ファクタリング会社に対する「過払い金」の取戻しを諦める必要はありません!!

ファクタリング会社に対する「過払い金」返還請求の方法とその必要性

ファクタリングとは、典型的には、会社が売掛債権などをファクタリング会社に売却し、売掛債権の支払い日よりも早く現金化し、資金繰りを改善する金融取引です。

ファクタリング会社は、もともとヤミ金業者だった会社が多いにも係わらず、そうと知らずに利用する事業者が多く、近時、トラブルが急増しています。

貸金業者には、貸金業法・利息制限法・出資法が適用され、過払い金返還請求がなされ、過剰に利息を取ることができなくなったため、貸金業者を廃業し、ファクタリング会社に転向した貸金業者が非常に多いのです。

すべては、過払い金問題がきっかけなのです。

ファクタリングは非常に高金利ですよね!

当事務所に寄せられるファクタリングに関するご相談の多くにおいて、ファクタリングの手数料は、30パーセント/年から98パーセント/年になっており、完全に利息制限法や出資法の制限を超えています。本来であれば、そのようなファクタリング会社に対しては、過払い金を取り戻すことができますので、そこまで問題は大きくないように思えます。

しかし、ファクタリングには、利息制限法や出資法の適用が無いのです。ですので、上限金利を超える金利は違法であり、過払い金が請求できるということにはなりません。過払い金を取り戻すことができないのです。

ファクタリングも消費者金融と、経済実体としてはほとんど同じであり、ファクタリング会社もほとんど自分のことを貸金業者だと考えていますし、資金を借りている方も売掛債権を売却しているのではなく、売掛債権を担保に金銭を借りていると考えているため、ファクタリング会社に対しては、消費者金融と同様、過払い金を観念することができ、過払い金返還請求をすることができて当然と思うのですが。

ファクタリング会社の中には月利30%もの手数料を取るところも多く、過払い金を取り戻すことができないのであれば、非常に過酷なことになることは間違いありません。

ファクタリングも貸金業もほとんど同じですよね!

また、ファクタリング会社に対する過払い金返還請求についてはどうでしょうか。

上述のとおり、ファクタリング会社に対しては、貸金業法・利息制限法・出資法の適用がありませんので、過払い金返還請求は全くできないかのように思えます。

しかし、上述のように、貸金業者とファクタリング会社は、経済実態としては、紙一重であり、区別して考える方が問題が大きいです。

また、実際にも、ファクタリング会社と言いつつも中身は貸金業者であるという業者はかなりたくさん存在していますし、ファクタリング契約書の実態が貸金契約書であることもかなり多く存在しています。

また、ファクタリングは貸金ではないと言っても、貸金業者に対しては過払い金返還請求を行うことが容易である反面、ファクタリング会社に対しては一切過払い金返還請求を行うことができないというのは、バランス感覚として、非常におかしい状態です。

給与ファクタリングについて過払い金返還請求が可能になった!

この点、給与ファクタリングについては、いち早く、過払い金返還請求が可能になりました。

金融庁がノンアクションレターにより、給与ファクタリングは無登録貸金業であり違法だとの見解を示し、裁判所も同様の考え方に基づく判決を下したのです。

事業者ファクタリングも給与ファクタリングと同じ問題がある!

ただ、給与ファクタリングでなくても、事業者ファクタリングであっても、状況は全く同じです。

そういう考えに基づき、近時、事業者ファクタリングについても規制強化の動きがみられます。

どう考えても、事業者ファクタリングも給与ファクタリングと同じですよね。

金融庁や裁判所の事業者ファクタリングに関する見解は明快にはなっていない!

ただ、事業者向けファクタリングについて、金融庁や裁判所は態度を明確にしていません。

裁判所は裁判ごとに妥当な解決を図るべく、いろいろな要件をたてつつ、適切そうな和解を図っているように見えます。

やはり、判決を出してしまうと、サラ金の過払い金訴訟に関する記憶がまだある中で、世間に対するインパクトが大きすぎると思っているのかもしれません。

この点、当事務所においては、ファクタリングに関する裁判を多く経験しており、その中で、実際、裁判所が、ファクタリングについても、消費者金融と同様の過払い金と同じように考え、バランスをとって、実質的に解決することが多くなっていますので、裁判所は、態度を明確にしていないものの、ファクタリングの過払い金問題を、実質的に解決しようとする姿勢なのだと思われますので、悲観する必要はありません。

すなわち、裁判所としては、実質的に、過払い金が存在するものと観念し、ファクタリング会社に対して返済すべき借入金を、その過払い金と相殺することによって減額し、適切な解決を図るということを行っている状態です。

東京弁護士会の新しい見解(偽装ファクタリング業者に対する適切な規制を求める意見書)

2020年5月、東京弁護士会が画期的な見解を示しました。

東京弁護士会は最近の傾向を読み取りかなり踏み込んだ見解(偽装ファクタリング業者に対する適切な規制を求める意見書)を出しておりますが、今後、実態を見た見解であるとしてこれが主流になっていく可能性が高いと思われます。

東京弁護士会では、いわゆるファクタリングという名前で資金流通サービスを提供しているものの、その手数料は非常に高く、実質的には高金利で貸し付けをしているとみるべき事案が多いと認識しています。

会の見解では、以下の性質がある取引はファクタリングに名を借りた貸付業であると解釈すべきだとしています。

①譲受人に償還請求権や買戻請求権が付いている場合(リコース条項がある場合)

②債務者(売掛先等)への通知や債務者の承諾の必要がない場合(債権譲渡通知が不要な場合)

③譲渡人が譲受人から債権を回収する業務の委託を受け譲受人に支払う仕組みとなっている場合(回収業務委託契約がある場合)

東京弁護士会では、偽装ファクタリング業者の規制を求める意見書(偽装ファクタリング業者に対する適切な規制を求める意見書)を作成し、関係機関に提出しています。

これまでは上記①(リコース条項がある場合)の性質があるケースのみが貸金業だとする風潮がありましたが、今後はもっと幅広く貸金業認定の網を広げていくようになるでしょう。

上記②(債権譲渡通知が不要な場合)は二社間ファクタリングそのものですし、③(回収業務委託契約がある場合)も二社間ファクタリングのほとんどのケースで契約に盛り込まれる内容です。

ファクタリング会社は、この上記①については既に対応完了済みですので、この上記②③が非常に重要なのです。

ファクタリング会社対応に関する注意点

※ また、ファクタリング会社の中にも正常な業者も存在することから、必ずしも、過払い金返還請求することができない可能性があること、当事務所が過払い金返還請求できることを保証するものではないことにはご留意ください。また、ファクタリング会社対応は、一般のクレサラ案件やヤミ金案件とは対応方法が全く異なります。近時、ファクタリング案件も、一般のクレサラ案件やヤミ金案件と同様、簡単に解決できるかと勘違いし、過剰な要求をされるファクタリングの被害者の皆様も僅かながら存在しますが、ファクタリング案件は、一般のクレサラ案件やヤミ金案件のように、単純な対応方法では対処できないこと、対応方法に多種多様な検討が必要であることにご留意ください。

ファクタリングの被害相談は取扱豊富な当事務所まで

事業者ファクタリングで高額な手数料負担を背負わされたら、過払い金返還請求でお金を取り戻せる可能性があります。

特に給与ファクタリングの場合、ほとんどのケースで過払い金返還請求が可能となっていますので、事業者ファクタリングを利用されている皆様も、泣き寝入りせずにぜひ声を上げてください。